2023年7月6日未明、静岡市清水区の国道1号バイパスの工事現場で橋げたが落下する事故がありました。
この事故で作業員8人が巻き込まれ、このうち2人の死亡しました。
落下した橋げたはなんと60m。
このような大規模な事故が起きてしまったのはなぜなのでしょうか?
また、この工事を行なっていた建設会社についても調査したいと思います。
報道内容
【国道1号 高架道路が建設中に落下】
— 事件速報 (@tokyoaccident) July 5, 2023
ーー作業員8人が怪我 2人は心肺停止ーー
立体化工事が行われている静清バイパスにおいて、地震のような揺れと共に、橋梁が落下しています。複数人の作業員が橋りょう落下に巻き込まれており、重軽傷を負っています。#静岡市清水区 #バイパス工事現場 pic.twitter.com/8Gdl2HunUk
6日午前3時10分ごろ、静岡市清水区尾羽の国道1号バイパスの工事現場で
橋げたが崩れた。けが人がいる
と通報がありました。
警察によると、バイパス道路の上に、高架道路の建設現場で橋げたが落下したとのこと。
この事故で、工事にあたっていた8人の男性作業員が巻き込まれ、このうち室田久生(ひさお)さん(53)と前田要さん(51)の2人の死亡。6人が重軽傷を負っています。
国土交通省中部地方整備局静岡国道事務所によると、落下した橋げたは、鉄製で長さ60メートルほど、重さは約140トンとのこと。
国道1号静清バイパスの立体化工事は慢性的な交通混雑の緩和などを目的に行われていて、このうち、清水立体事業は静岡市清水区横砂東町から清水区八坂西町までの約2.4キロまでの区間で、現在は全線にわたって橋梁上部工事を実施していたとのこと。
事故当時、現場には作業員約20人と警備員約10人が作業に携わっていたそう。
施工会社はどこ?
今回の静清バイパスの工事は、国土交通省が実施する大規模な工事で、
複数の企業が工事に関わっている
とのこと。
国土交通省中部地方整備局静岡国道事務所では、今回の工事予定を記載した「清水立体工事だより」が発行されていました。
2023年3月以降の工事予定を記載した最新版がこちら。

かなり多くの会社が施工に関わっていることがわかりますね。
施工内容や施工時期から、ある程度絞ることもできそうですが…
※追記 工事をしていたのは「名村造船所」!
今回の工事を受注した会社名が報道されました。
大阪市に本社を置く造船会社
名村造船所
が共同企業体として工事を受注したとのこと。
大阪市に本社を置く造船会社「名村造船所」が共同企業体として工事を受注したと認め、「けが人が多数出ていると聞いている。重く受け止め、申し訳なく思っている」と話した。
引用元:https://www.sankei.com/article/20230706-UZTFI7ZP3NOVPOQW2MU3P3IQMY/
共同企業体として工事を受注したとのことなので、こちらの企業単独ではなく、他の企業も関わっているようですね。
名村造船所とは?
- 社名:株式会社 名村造船所
- 本社:〒550-0012 大阪市西区立売堀2丁目1番9号 日建ビル8F
- 代表取締役社長:名村建介
- 創業:1911年
- 従業員数:1,055名 (2022年3月31日現在)
- 事業内容:船舶の製造、船舶の修繕、橋梁の設計・製造・架設、各種鉄構造物の設計・製造・架設
こちらの会社は造船がメインのようですが、橋梁や沿岸施設などの大型鉄構造物も商品化しているようです。
名村造船所のホームページでは、伊万里湾大橋、鷹島肥前大橋など13もの橋梁の工事実績が掲載されていました。
事故の原因は?
現場では、橋げたを2本のクレーンで持ち上げて、橋脚の上で橋桁をずらす「横取り」の作業をしていて、ずらした橋げたがそのまま落下したものとみられています。
今回の事故原因についてはまだ報道がされていません。
過去の橋げた落下事故の原因も調査!
過去の事故について調べてみると、1991年に広島市で似たような事故が…
広島市の橋げた落下事故の原因は
施工管理体制の問題が根本要因
だったよう。
広島を思い出した人は
— 才谷梅太郎 🖊️二条河原落書の如く (@purplecrows1) July 5, 2023
ジジイ
広島新交通システム橋桁落下事故
橋りょう落下 pic.twitter.com/3jY9oyQw1n
その際の事故内容は以下の通り。
「新交通システム」工事現場において、横取り降下工法で箱型橋桁を降下作業を行っていたが、主桁を支えていたジャッキと受台がはじき飛ばされたため、桁が県道に落下し、その結果、信号待ちしていた車両11両を押しつぶし、23人の死傷者を出した。
引用元:https://www.shippai.org/fkd/cf/CD0000001.html
この事故の原因は以下とされています。
- ジャッキの仮受台に、H型鋼を3段同じ方向に積み重ねて使用した。(致命的原因)
- 集中荷重が作用する部材箇所に、剪断補強リブを配置していなかった。剪断補強リブを配置していない箇所に、ジャッキをあてがった。
- 横取り時は、桁の転落防止用のワイヤを設置していたが、降下作業時はワイヤ設置をしていなかった。
- 元請会社の施工管理体制の問題が根本要因であった。
引用元:https://www.shippai.org/fkd/cf/CD0000001.html
転落防止用のワイヤを取り付けられていなかったなど、施工管理が原因だったようです。
今回の事故についての原因はまだわかりませんが、一刻も早原因究明が求められますね…
まとめ
今回は、静岡市清水区の国道1号バイパスの工事現場で橋げたが落下した事故の原因や建設会社についてまとめました。
多くの死傷者が出てしまった今回の事故。
原因究明をして同じような事故が起きないようにしたいですね…
事故で亡くなってしまった方のご冥福と、怪我をしてしまった方の1日も早い回復をお祈りします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。